季節に迷った桜を差し置いて、石楠花がお先にと咲く
ちょっと不穏な、でも、これから晴れる予定の、4月の始まり
枯れたように見える黒い枝先から、とつぜん春色が吹き出す不思議
地上のほこりと天の青。無境界
流れゆく曇。 近くは速く、遠くはゆっくり
上に向かって枝葉を広げ、約束されたものを待っている。
雲も遠くに吹き飛ばされて
んむむむ、あと少し、もう少し
きこえているのは、ひっきりなしの鳥のさえずり
春へのお散歩は、いったん休み。
ブロンズの彫像みたいなサルスベリは、花咲く夏を夢見ちゅう
春の雪、はじまってます
長く強い風が吹いて、変わる潮目を告げている
花びらを失った後に姿を表す、小さな赤い房飾り
鳥たちが羽を休める梢
止まない雨はないというけれど、止まない風ならあるのかもしれないと思うほどに、夜通し吹き叫び、今も、吹き荒れている。
届かない高みでひとり
定点観測。浮き足だったかすみ空。
乗組員全員の離脱を見届ける船長さんのよう
満開の空
おひさまと春風
が、いそうなんだよね
空を渡る鋼鉄の鳥のおなか
遠い空の高みをゆく
枝先で羽を休める小鳥たち、みたいな
そして春がまた一歩近づく
雪の朝が静かなのは、鳥たちが息をひそめているからだと知る
雨のはざまは忙しい
つめたいなかでじっと待ってる
がんばって、地上に贈る湿り気を蓄えてる