仕事をズル休みする朝は、必ず、体が（少し）だるい。
ズル休みしたい気分の時には、この体のだるさに神経を集中させ、
おなか痛いかも、頭痛いかも、だるいかも、とってもだるくて
動けないかも、と不調の種を探す。
それは願望の魔法となって体じゅうに病の粉を振りかける。
かくして、患部が不明確なまま、どことなく病気であることが決定し、
お休みが確定する。
これは、極めて限定的な一日のお休みを願うケースだけれど、
もっと恒常的に、怠けたい、休みたい、遊びたい、という強い願いが
あると、それは、恒常的な体の不調となって現実化する。
気がする。
低血圧とか、貧血とか、自律神経失調症とか。
気がする、だけです。
ていうか、そういうわたしの場合、微妙な低血圧と貧血は、
がんばりたくない、という潜在的な願望の表れの気がして
ならない。
でもとにかく、願望は実現する。
ときおり、振って沸いたような願望実現があって、おお！と思う。
今日も久々にそんなことがありました。
かねがね、山口県のプアなFM局の現状に大きな不満を持っていたわたし。
朝のテレビ番組はキライなので、inter-FMかJ-waveがないと、起床後の、
勢いがつかないのだ。
そこで、J-waveが聞ける、というだけの理由でスカパーを導入したくて
仕方なかった。でも、ベランダのない一階の部屋には、アンテナを
立てる良い場所が無い。
夫は、立てる場所ないからダメだよ、と、やる気無くつぶやくが、
わたしはそんなことには負けない。
物置の前に、棒をたてて、そこに設置するのよ！
よく、気象測器用の太陽電池パネルをくっつけるあの丈夫そうなポールを！
と言っていた。
と言って3ヶ月後、ようやく実際の行動の準備を始めようと、不動産やさんに
電話した。
「スカパーのアンテナを立てたいのですが、物置前にポールを
たててよいでしょうか？」
「ええ、いいですよ。」
不動産やさんは嫌がる様子も無く、ただ、建物にビスや何かを
設置するときは言ってくださいね、あと、退去の時には撤去してくださいね、
などと親切丁寧に説明したあと、こういった。
「ただ、今月か来月ぐらいにケーブルテレビが入りますけど」
え”、けーぶる？
「ケーブルがはいるんだったら、スカパーはいいです」
ケーブル、うれしいじゃん？
もっと早く言ってよ。
スカパーのことはすっかり忘れて、振って沸いた喜びに心は
ウキウキ。
ただ、わたしはそんなに強くケーブルテレビを望んだ記憶は無い。
もしかしたら、夫の願望が実現したんだろうか。
前のケーブルつきのアパートから、ここに（わたしの強制により）
引っ越しさせられて、ケーブルがないことを一番嘆いていたのは
テレビ好きの夫くん。
彼のささやかな夢が叶った瞬間なのかもしれない。
開け放した窓から秋風が吹きこみ、ＳＬやまぐち号が
大きく汽笛の音をあげた。
