のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

雨の降る日に

私の現在の住処は、ちょっとした高層にある。
窓から見える景色はいつもなら、遠くまで建物が立ち並ぶ地上と、ゆったりと雲が行きかう空が、半分半分に分かれてみえるのだけれど、今日みたいな雨の日は、地上にも空にも同じような白い霞がかかって、あらゆる輪郭が曖昧になる。
夕方になって灯り始めた街の明かりは、まるで水の中の光のように揺らめきながら輝く。
遠くの空を見ていると、そのまま泳いでいけそうな気になってくる。
そういえば、2、3日前に、そんな夢をみたなぁと思う。

そのとき私は、高い断崖絶壁の突端で、何かに体を強く押された。空中に投げ出された体が、ゆっくりと傾いていくのを感じながら、これは多分夢だから、きっと大丈夫だ、そう思っていた。
夢だから、大丈夫、倒れてみよう。
ゆっくり、風に乗るかのような気持ちで、体を空に横たえると、私の体はふわりと浮いた。そしてそのまま、空を飛んでいた。
そういう夢。
空を飛ぶ夢は久しぶりだった。

雨の日は、何もかもが等しく空の恵みに包まれる。
水膜となって表面を覆い、しっとりと奥深くを湿らせる。
隅々までいきわたる。
そういう一日。