ここに、ハイエナくんが一匹。
ハイエナくんは、生きてない肉が好き。
あまり新鮮なのは好みじゃなくて、
ちょっと臭いがきついぐらいの方がわくわくする。
そういう、腐りかけた肉が好き、というのは、あまり
みんなの嗜好と一致しない。
まぁ、競争が無くていいんだけど、ときどき、
え〜〜、そんなのが好みなのぉ〜〜?と
白い目で見られる。
この前も、広いステップに打ち捨てられたシマウマの
お肉を食べていたら、
「ハイエナみたいに浅ましい・・・・」
と、近くを通る誰かのお喋りが耳に入った。
どうして僕は、浅ましいんだろう?
ハイエナくんは、青い空を見上げて思った。
どうして僕は、臭いお肉が好きなんだろう?
ハイエナくんは、おなかいっぱいの体を横たえた。
気持ちよい眠気を感じながら、ハイエナくんは目を閉じた。
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「ハイエナみたいに浅ましい」
と言ったのは私です。
自分にとって大切な人の役に立ちたいと思いながら、その人が陥りそう
になっている不健康の危険を回避させてあげたいと思いながら、
でも、それを自分ができるかもしれないと思う気持ちの中に、
どこかその人の不健康を歓迎している自分を見つけたときに、
ハイエナみたいに浅ましい私、と言ったのです。
ハイエナくん、君に罪は無いよ。
悪かったね。