のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

変化

RESOLVE 自分を変える最新心理テクニック―神経言語プログラミングの新たな展開

このNLP神経言語プログラミング)について書かれたとても秀逸な本の中に、
私の興味を引いた部分がある。
(ていうか、興味を引く部分はそれこそ無尽蔵といってもよいぐらい沢山ある、
すんばらしい本なのだけれど)


それは、「自力で変わる」と題された一説で、
人間は、ある状況下に置かれると、自ら変わり、しかもずっと長くそれを維持できる
(つまりは、「本当に変わる」)ことができる、というものだ。
著者は、禁煙、禁酒、ダイエットから、抑うつ、はては、統合失調症にまで及ぶ
過去蓄積された大量のデータをもとに研究された例を示し、その裏づけをする。


たとえば、過去10年間に元アルコール依存症患者の2/3が禁酒を、また、
過去10年ほどの間に禁煙をしたアメリカ人3000万人の95%が禁煙を、
医療的プログラムや誰かの手助けを借りずに自力で行い、しかも、こうした人々は、
治療的プログラムを選択した人よりも
良い結果を出し、かつ長くその状態を維持できているという。


統合失調症については、ナイジェリアで57%、インドで50%がその発症後、
2年以内に回復することが分かっている。ところが、薬剤による医療がより進んでいる
デンマークでは、2年間の回復率はほんの8%に過ぎない。
このことは、薬物投与が病気の治療率を高めていないことの証明であるだけでなく、
家族や社会の支えなど、ごく普通の生き方のほうが、はるかに良い影響を及ぼすことを
示しているようだ。
(ちなみに、統合失調症は、遺伝的影響が極めて高い疾患といわれているが、
人種、居住地域などによる罹病率に違いが無い、つまりは世界各国どこにでも
等しく存在するという、稀有な病気だそうである)


つまり、人は、治療や医療の力で変わるのではなく、
自ら変わるものなのだ。


もしかしたらそれは、
自分で生きて行こうと覚悟したときかもしれず、
誰かを愛そうと決めたときかも知れない。


変化は、ときどき、どこかから突然訪れるように見える。
けれど、おおむねそれは、もともと自分の中にある。
なぜなら、外側で起きていることの多くは、他の人から見れば、
相も変わらずありきたりなものだから。


催眠療法で名高い、ミルトン・エリクソン心理療法士の道を選ぶきかっけと
なったジョンという男がそうだったように。


ジョン君の話は、またあした。