のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

Happy Birthday

 明日は、夫の誕生日だ。
 でも、朝から仕事に出かけて、そのまま遠くに行ってしまうので、私は今日のうちにケーキを買って、お祝いをした。

 50歳を超えた立派なおじさんにも、丸いケーキで誕生日のお祝いをしてもらう権利はあるのだ。子供のいない、50代夫婦ふたりだけだとしても、もちろん。

 夫は、いまさら、誕生日でもあるまい、と思っているかもしれない。けれど私は、キャンドルを立てたホールのケーキを前にすると、誰でも子供のような無邪気さを取り戻せる、あるいは、取り戻すことを許されるのだと、どこかで感じている。
 
 ロウソクの先で揺れる炎を見つめながらハッピーバースデーの歌を唄い、一息に吹き消す。
 先っぽが焦げて黒くなったロウソクを一本一本抜き取っていくのは、互いへの照れ隠しを紛らわすのに丁度よい作業だ。店員のようにケーキの中身を説明し、どのくらい食べたいか、希望を聞いて慎重にケーキをカットする。
 
 あるころから、誕生日は、それほど特別な日ではなくなった。あっという間に1年が過ぎ、もうお正月かとため息交じりに思うように、誕生日も物珍しくなくなって久しい。
 それでも最近は自分の誕生日よりも、連れ合いの誕生日の方が、もうちょっと感慨深い。

 君の誕生日を祝えるのも、あと何回残されているのかと、ふとそんなことを考えるようになったからだろうか。
 誕生日は、「生まれてきてくれてありがとう」だったのが、「生きていてくれてありがとう」に少しずつ変わっていく今日この頃のバースディ。