のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

青い空の下で

 先日、姪が新婚旅行のお土産を持って、うちを訪ねてきた。
 「うちの夫くんが、げんちゃんによろしくって言ってたよ!犬にも会うとは、ひとことも言ってないんだけどね(笑)」
 と姪が言い、そういえば、飼い犬のげんも姪の夫に逢ってたなぁと思い出した。

 彼女の夫は、まだ2人が結婚をする前、まずは同居をしてみようということになったとき、それなら家に挨拶に来るのが段取りというものだろうと彼女の両親に言われ、じゃあついでにこっちにもおいでと彼女の祖母に言われ、彼女の母親の実家にまで挨拶に来てくれたという付き合いの良い人だ。

 そのとき、私も呼ばれたので、犬を連れて実家に帰った。なんでこんなところに俺は呼ばれているのか?という、疑問で彼の頭がいっぱいだった、かどうかは知らない。けれど、彼女と同居しようというだけで、彼女の母方の祖父母と叔母と叔父とその妻までもが勢ぞろいした。知らない年長者に囲まれて、それなりに緊張感や気詰まり感もあったと思う。
 そんななか、生後5か月の子犬が、細くて長いしっぽをペしぺしぺしと振りながら、果敢に猛烈に彼にじゃれ付いていった。彼は、特に犬好きというわけではないのだけど、と言いながらもニコニコとしてて、その繊細そうな手で犬を撫でてくれた。いい気になった犬は、おなかを出したり、さらには膝によじ登ろうとしたりしながら、決して彼から離れなかった。
 それからの数時間、会話に困ったら犬を撫でていた。

 げんは、誰にでもいつでも、人への愛情を隠さない(それが「愛情」なのかどうかはさておき)。それどころか、おおっぴらに、大げさに、極端なまでに表現するのが得意だ。私にはなかなかできない。けれど、そうすることで、たった一度だけ逢った人の記憶にも強く残り続けることができるのだなぁと思った。(私のことはと言えば、結婚式で、姪に改めて紹介されて、あ「あ、叔母の**さんですね」と再確認していたのだ)

 ドッグランに行っても、げんは、他の飼い主が、自分の飼い犬のために投げたボールを、勝手に一緒に追う。本来の飼い犬のほうが面くらって途中で立ち止まってしまっても、げんはボールにくらいつき、その新たな(?)飼い主の足もとに舞い戻る。心優しい人だと、新たなボールを出して、げんのために投げてくれたりなんかもする。そうすると、げんは、もう当然のようにその飼い主の足もとにお座りをして、次のボールを投げるのを待つことになる。
 さすが、月星座が獅子座のげんである。
 つねに、その場の主人公をかっさらう君の行動に、私も何か学ぶべきことがあるのかもしれない。