のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

メッセージ

 ようやく、念願かなって、見たかった映画、メッセージを見た。前半は、超巨大な柿の種型宇宙船でエイリアンが地球にやってくるという、大それた話なんだけど、まるで芸術作品のように美しい映像と少ない台詞で、しっとりとした時間が続く成果、4回ぐらい寝落ちして、そのたび大きく巻き戻しで繰り返したけれど、中国の協力関係を離脱し、戦闘態勢に入り始めたころから、本腰を入れて見始まった。

 それから、ルイーズがエイリアンの言語を解読し、送られたメッセージの意味を受け取り、迫りくる危機を回避するまでのくだりは手に汗握るスリリングさもあってぐいぐい惹きこまれた。けれど、何より感動したのはそのラストで、彼女の言ったことば。
 ここから、あなたの人生の物語は、始まった、ということ。。

 ハンナという名前のそのままに、初めから読んでも終わりから読んでもハンナ。そのあなたの人生の物語の在り方は、時間の在り方そのものでもある。

 「これから何が起きるか分かっていても、一瞬一瞬を大切に生きる」彼女の覚悟と、そこに向かって進んでいく勇気と決意と、切なさとがないまぜになって、ラストは号泣だった。

 それにしても、エイリアンとのセッションを取り仕切る軍部や専門家集団が見事なまでに男性ばかりを揃えているのは、やはり監督の意図したものがあるのだろうか。無意識のうちに勝つか負けるかの戦いの価値観に陥いって疑心暗鬼に捕らわれてしまうがゆえに、地球は滅亡のみちを歩もうとする根本に男性原理が横たわっていることを、暗に示唆しているように、見えてならない。
 主な登場人物のなかで、他者を理解し融和を目指すのは、セッションを担当する中で唯一の女性であって、武力や科学力を誇示する男性との比較は明瞭に描き出されているように見える。

 この作品を通して伝わるメッセージは、人類に勝利をもたらす「武器」は、科学技術ではなく、言語であるということ。しかもその勝利は、繁栄する者の数が最大となり、なんら怨恨を残さない、互いに勝者になることが可能なのだ。

 つくづく、男性原理ではなく、女性原理を前面に出せば、もっと多くの人々が幸せになるんじゃないかと思う。おそらく、先が分からないから戦いになり、怨恨を引きずり恨みを晴らす誓いを立てる。
 というのは、きょう読了した「蜩日記」からも感じたこと。描かれていたのは、男性たちの権力をめぐる醜い争いと、武士の生き方の高潔さ。けれど、女性はとことん受け身ですべての人生を受け入れる構え。だからそもそも、過去も現在も未来もすべてつながって1つだとしたら、「この先何が起きるかを知っていてなおそれを受け入れ慈しむ」ことができるのは、やっぱり女性なんだろうなと改めて実感する。

 妊娠する女性。
 数匹しかいなかった水槽のなかが、1年で百匹以上に大増殖できる端正生殖力を獲得するザリガニ。
 ガラパゴスで、独自の進化を遂げた2つの種のイグアナが交配し、1代限りのハイブリッドとして生まれること。
 種の滅亡と、進化。
 言語は思考を形作り、性格もまた言語によって変化しうる。だから、言語にはいくつかの戦略を練る人々が必要。

 眠くてしにそう。。。
 いろいろ考えさせられる。


時間、といえば、裁量労働制も時間だわ