のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

もう四月ぅー

もう、四月です。
たいへんたいへん。
なんだかせわしない日々が続いております。

と、言いつつ、今日は珍しく(でもないけど)行楽してきた。とびおを家において、行った先は、福岡県直方市(のおがたし)のチューリップ祭り。
福岡県直方市って、書いてみると、自分にとってもんのすごい未知の土地だ。どんな場所か全くイメージがわかない。
でも、どんな場所か想像さえつかなかろうが、読み方がわからなかろうが(ローマ字表記を見るまでわからなかった)、その場所を訪れることはそんなに難しくない。本州と九州の間には関門峡というリアルな鉄橋が架かっており、リアルな道路の上を走り続ければ、どこにでもありそうで、たぶん、そこにしかない町、福岡県直方市に辿り付ける。

市役所のそばを流れる遠賀川の河川敷は、菜の花の黄色い帯がどこまでも寄り添うように続く。その一角に目的のチューリップ35万本が植わっていた。
が、そのうち咲いているチューリップは100本ぐらい(目測)。つまり、ぜーんぜん開花にはまだ早かったのだ。
地図も持たずに行ったわれわれは、最初、河川敷に散らばる人だかりと、川の向こうとこちらに並んだテントや露天の並びを見ても、それが目的のチューリップフェアだとは気づかなかった。何しろ、写真で見たチューリップ35万本の色とりどりの鮮やかさは、目の前に広がる緑色の河川敷とはあまりにかけ離れた景色だったのだ。
だがしかし、私たちは「チューリップ祭り」と赤い字で書かれた看板を目ざとく見つけた。
と同時に、チューリップらしきものが植わっている白いプランターの存在を確認した。
「なんだこりゃ〜〜〜〜〜」
と、怒りと悲しみの入り混じった夫の声は、松田勇作にはかけらも似ていなかったが、それはそれ、彼をなだめすかして何とか公園に向かった。

チューリップは近くで見ると、少しは咲いていた。
開花しているものは、250本はあったかもしれない(修正後の数値)が、一面にさく色とりどりのチューリップからはあまりに程遠いそのフェスティバルは、われわれにとっては、ほとんど「チューリップの葉っぱ祭り」だった。

チューリップフェスティバルは本日から始まっているはずなのに、全然花が咲いていない!と憤慨する夫に、
「今年は、桜の開花も遅れたから、仕方ないのよ」
といいながら、でも私たちの専門を考えたら、開花時期予想ぐらいは立ててくるべきだったのじゃないかと思った。
桜が遅れるぐらいだから、他の植物だって開花は遅れるのだ。
人間は、環境を制御して、植物を育て、魚を養殖し、牛クローンだって作れるようになったけど、でも、自然を完全に制御することなんかできないんだから。

自然は、私たちが無力であることも無知であることも教えてくれる。
私たちが持つ力を試し、何かを知る機会を与えてくれるのと同時に。

花は咲いてなかったけど、花曇の河川敷で、のどかに春の吹かれながら食べた、かしわ飯のおにぎりは美味しかった。
菜の花の帯の向こうにかすむ山並みも美しかった。
いいところだね、そういいながら、私たちはその場を後にしたのだった。