2005-12-20 ここにないもの どこかから、何かの機械のノイズが聞こえてきて、 それが、外で地面を打つ雨の音に聞こえる。 次々と、雨のしずくが地面を叩く。 夜の空は晴れ渡り、明るい星も見えているというのに、 雨の音はやまない。 砂漠で潮の香りを嗅いだり、 春の日差しのなかに凍える冷たさを見つけたり、 時折、そこにあるはずのないものを感じる。 それは、 自分で作り出した幻想だから、 きっと自分で消すこともできる。 けれど、作り出すことそれ自体はやめられない。 選べるのは、 何を創るかということだけで。