昨日は、お花のお稽古日だった。
花材は、赤目柳とユリ、先生の家の杉。
赤目柳はシュッと伸びた樹形で、本来はごくごく緩やかな曲線を描くのだけれど、ゆっくり両手で湾曲させていくと、割合自由な形状を作ることができる。今回は、その性質を利用した。
人間にさまざまな性質があるように、植物もそれぞれ違った特徴がある。植物は、違う種の話なのだから、当然と言えば当然だけれど、あまりに寡黙に、常にそこにある存在だとうっかりどの緑も同じものに見えてしまうのではないだろうか。
小松菜もほうれん草も、おなじ緑の野菜、ではあるけれど、じつは小松菜はアブラナ科、ほうれん草はアカザ科と、全然違う種類だったりする。なので、小松菜は大きくなって黄色い花が咲き、それは、菜の花と呼ばれる。一方のほうれん草は、雌雄異株で、つまり雄雌があったりする。
植物もいろいろと味わい深い。
うちにいる小さなわんこ、げんざぶろうも、生意気にもそうした味わい深さがわかるのか、部屋にあった観葉植物のポトスとオリヅルランのうち、なぜかオリヅルランばかり齧っては引っこ抜いていった。
その結果、10年以上生き続けてきたオリヅルランの緑の葉は食い散らかされ、とうとう完全に無くなってしまった。
となりでは、青々と茂るポトスの大きなはっぱが輝くばかり。その対比は哀れなほどだ。
ポトスが、ライバルのオリヅルランを陥れようと、入れ知恵でもしたのか。ずっと隣で一緒に育ってきた二人なのになぁ・・・。
枯れ行くオリヅルランに栄枯盛衰の世の哀れを見るのであった。