「あっ!!!」という間に一年が終わる。
子どもの頃は、もっと時間がたつのが遅く、日々いろんな発見や感動がたくさん詰まっていたのに。
なして、年を取るとこうも時間がたつのが早いのか。
その原因を、ちょっと考えてみた。そこで思いついたのは、最近ではとかく毎日が同じような繰り返しだなと認識し、なぁなぁにやり過ごしているということ。もっと、自分の身の回りで起きていることに目を開いてみると、自分が気づかなかったり、知らなかったりした世界がぐんぐん姿を現してくるのではないだろうか。
てなわけで、もっと豊かで、内容の濃い日々を過ごそうと決意した。感覚を研ぎ澄まし、周りで起きている物事への感動を味わい、そしてそれをきちんと記録してみよう。
その第一弾である、今日の発見。
それは、茗荷谷駅近くを歩いていたときのこと。歩道の横の広葉樹は、ほとんど落葉を終えていた。もう少しで全部の葉が落ちると思いながら、樹に近づいた。わずかに残った楕円形の塊が、不安定にゆらゆら風に揺れている。と思ったら、その丸い影が、小さく羽ばたいた。
雀だった。
梢に残った5,6枚の葉と見えたのは全て雀で、下に立って仰ぎみると、茶色の羽に囲まれた白い羽毛のおなかがいくつも梢の上で揺れているのがわかった。
知らなかった。スズメのお腹はしろいのだ。
生き物の可憐さとぬくもりとを形にすると、白い羽毛に包まれた、ぷっくり丸いおなかになる。
というのが今日の発見。
まだまだ、世の中は知らないこと、見たことがないもので満ち溢れているらしい。