のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

老い

 きのう、実家に帰って母を買い物に連れて行った。母は、兄夫婦と同じ敷地内に住んでいる上、姉が近くにいるので、普段から日々の生活でほとんど困ることはない。けれど、兄嫁は、テキパキした性格なので、のんびりゆったりと商品をあれこれ見て歩きたいような買い物に連れて行ってもらうのは、少し気が引けるらしい。

 私は少し時間がかかるところに住んでいる上、3人兄弟の末っ子のせいか、(自分で言うのもなんだが)気が利かないので買い物に連れ出すぐらいしか役に立てることがない。

 そんなわけで、母の好きな百円ショップに連れて行くことになった。ここ数か月の間に、何度も連れて行かされているので、さすがに私も場所を覚えた。ところが、以前は車の運転をする私に、テキパキと道を教えた母が、
「あれ、百円ショップは、スーパーのとなりだっけ?」
と言いだしたのだ。
「え、まさか場所忘れちゃったの?!」
「そんなに、色んなことを覚えてられないよ」
びっくりした。自分で見つけて、毎月のように出かけていた場所を忘れるなんて、物忘れ、の域を超えている。
 これが、老いというものなのだろうか。時に冗談も飛ばしながら、溌剌と過ごしている母の突然の記憶の欠如(?)を、私は姉に話そうとしたけれど、結局だまったままだった。
 もし言って、姉も同じような様子を見ていたことが分かったら?

 ときが、自分の親にも、確実に忍び寄ってきていることを知るのには、もう少し覚悟が要りそうだ。