のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

秋の月とキンモクセイ

 昨日は、移動日。バタバタバタとしていて、日記が書けなかった。お華の先生からのゆうパックを郵便局に取りに行き、ドッグサロンの予約が取れずに自宅で犬を洗い、部屋の掃除をした。他にもいろいろやりたかったんだけど、タイムアウト。午後3時前に家を出た。

 急いで電車に乗って車窓を見ていると、綺麗な夕焼けとお月さまが見えた。

ほんとうは、煌びやかな夜景と夕日とお月さまが揃った風景が、いくつも車窓を駆け抜けていったんだけど、ちゃんと撮れたのは、これ一枚。

 どうして私はこんなに写真を撮るのがヘタなのか。くぅ~~。(答え:反応が鈍すぎるから)

 まぁ、可愛い三日月が写せたから良しとしよう(ありがとう、優秀なカメラ)。

 よく見れば、とても秋らしい月ではないか。いや、この写真だけで秋らしいというのは強引すぎる。月だけなら、春でも冬でも同じ形だ。この三日月が秋らしく感じるのは、背後で香る例の匂いがあるからだ。

 今年は長い酷暑がいつまでも終わらず、諦めた頃になっていきなり朝晩寒くなった。くわえて、いきなり日が短くなった。(気がする)
 あれっ?秋はどこいっちゃったの?と思っていたが、よかった、素通りせずにちゃんといたらしい。だって、キンモクセイがそう言っている。

 キンモクセイって奴は、とっても奥ゆかしい。普段は緑の固い葉っぱを武骨に茂らせ、あっしは何でもない常緑樹です・・・、みたいに沈黙を保っている(植物なだけに)。しかし、この時期になると突如として、可憐な黄色い花を咲かせ、辺り一面にかぐわしい匂いを漂わせてくるのだ。

 まるで、真夏に疲弊しきった体をそっと癒すかのように。
 まるで、陰りゆく太陽の寂しさをなだめてくれるかのように。

 道を散歩していると、あちらこちらで花を咲かせているキンモクセイが見つかる。私はそのたび、誘蛾灯に引き寄せられる虫のように、黄色い彩りを添えた樹へと近づいていく。そして、胸いっぱいにキンモクセイの匂いを吸い込んで、ありがとう、と告げる。

 私たちの身の回りに、いつも一緒にいてくれるきみたちが、秋の気配を告げるこの時を密かに待ち続け、そして決して間違えることなく教えてくれることに、感謝を込めて。