のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

コミュニケーションと剣術との共通事項

今日は、バイトで久々に電話に出た。
会社の電話に出るのは実に久しぶり。
バイトを始めてからまだ一ヶ月ちょっとしかたっていない上、週に2,3日しか来ない低い身分の私の机には電話がないため、普段からあまり電話をとる機会が無い。


しかし、今日は私ともう一人しか社員が残っておらず、より電話に近い場所に立っていた私は慌てて受話器を取った。
「はい。****研究所です」
自分が勤務している会社の正確な名前さえもいまいちあやふやな私(だって長いんだもん)。なんとか社名を名乗ると、受話器の奥から、(ちょっと)ダミ声が聞こえてきた。
「もしもし、大林だが」(←実名)
「はい、お世話になっております」
と、よそいき声で答えながら私は、あんたはどこの者よ?と思った。社名も名乗らない横柄な人って、た〜まにいるのよねー。
すると相手はこう続けた。
「明日、****から研究論文と業績調査の件で連絡があるはずなんだけど、私は明日は会社にこないから、話を聞いておいてくれないか」
あわわわわわわ!
社長だ(ウチの)!


なにしろ、電話で社長と話すのはこれが初めてなのだ。
と、いう言い訳が通用するわけも無く、そのあと私が必死で、ハイ、ハイと連発すればするほど、社長の不信感は大きくなっていった(にちがいない)。
「斉藤さんはいるかね?」
ワタシでは埒があかないと思ったらしく、社長は別の社員を指名してきた。私はすぐ横の机をみながら、
「今、席をはずしています」
答えた。
「まだ帰ってきてないのか?1時間も席をはずしてるのか?」
あからさまに不機嫌そうな声で社長は言う。
でもそんなこと言われても、斉藤さんが何時に席をたったかなんて覚えているわけがない。
「い、いつからいないかまではちょっとわかりかねますが・・・。しょ、少々お待ちください」
隣にいた別の社員の人に、斉藤さんのことをたずねると、4階に行っているとのこと。私は自信たっぷりに電話に向かって言い放った。
「斉藤さんは、4階に行ってるそうです」
「そこに行ったのは、しってるよ。だから、それでまだずっと帰ってこないのかって聞いてるんだよ!1時間も戻ってきてないのか!?東君はいるかね!?」
「はっ。少々お待ちくださいっ。」


東さんに受話器を渡して、私はようやく、不信&イライラ声から開放された。
ふぃ〜・・・・。


他の社員の動向についてのイライラを私にぶつけられたって困るのである。
全くわがままな社長だわ、と、ありがちな感想を抱きながら、でも、まてよ、と私は考えた。
こんなときこそ、ここしばらく週末はトビー(犬)に留守を任せて、大枚はたいて学んでいる超心理学コミュニケーションツール、NLPの出番ではなかろうか?
ちなみに、昨日読んだ本には、こんな例が出ていた。


たとえば、クレーム処理などで、
「お宅の会社のソフトを使っていたら、いきなりデータが吹っ飛んで大困りだよ。どうしてくれるんだ!!」
と、お客さんが電話をかけてきたケース。
通常ならば、まぁまぁ、などと相手を落ち着かせようとするところを、「えっ!データが消失してしまったのですか?!それは大変お困りですね!大変申し訳ありませんでしたっ!」と、まずは相手の勢いに合わせて、言葉もそのまま返したほうが、相手の興奮も収めやすい、そうだ。
てことは、
上記の社長ご立腹(?)ケースにそれを適応すると、


「なにっ!まだ帰ってこないのか?1時間もずっと行きっぱなしなのか!?」
「ええっ!まだ帰ってこないんです!1時間もずっとですよ!!ひどいですよねっ!なにしてるんでしょうねっ!」
・・・えっとー、なんか、これじゃただの社長ゴマすり野郎?
行き過ぎてはいけない。
冷静さと自重がNLPの基本である(とは、かいてありません)。
相手の勢いに飲まれて、コントロール力を失ってはいけないのである。


たぶん、正解は、
「ええっ、まだ帰ってきてませんよ!」とバックトラック(←同じ言葉で返すこと)すればいいのかもしれない。


でもね、あんなふうに突然、言われもないイライラをぶつけられたら、こっちはどきどきしちゃうんである。
バックトラック!とか、ペーシング!とか思いついたって、それをできる心の余裕が無ければお話にならないのだ。


というわけで、ここで問題のありかが発覚した。
求めている姿は、足音も立てずに忍び寄ってきた侵入者が、背後からいきなり「てぇええい!」と刀を振り下ろしてきたときにも、慌てず騒がず、すちゃっと目の前のなべで受け、さらには休みなく繰り出される攻撃も鮮やかに軽やかに次々とかわしていく、剣の達人にも似ている。(大げさ?)


とにかく、コミュニケーションにおける心の動揺、この克服がちょっとした課題なのであった。