のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

みんな、大きくなるの

昨日から今日にかけて、
高校生の姪が家に泊まりに来た。



彼女は、
「自分が腹黒い人間だから、世の中の役に立つ人になりたいの」
という、一見矛盾に満ち満ちているようで、それでいて
どことなく、なるほどと思えないことも無いことを言う。


それはまるで、
「悪に手を染めてしまった自分には、こうして償いをしていくしかないんです」
と、自らを責め続ける犯罪者のような発言。


だがきみは、まだ無垢な高校生。
一体何故そんなに、自分を卑下するのか。


私から見れば、キミはとっても思いやり深く、親切で十分愛されるべき良い子なのに、
なぜそんなに自分を追い込むのか。


と、聞いても彼女の答えは変わらない。


そして、思い出されるのは私自身のこと。


私はその昔、
何か良い賞をもらっても、発表した論文を誰かに褒められても、
その場では一瞬嬉しい気持ちがすることはあっても、
それで凄く誇らしく感じることはあまりなく、いつもなんとなく後ろめたい気持ちが消えなかった。


それは、褒めてくれている人は本当の私を知らない、と言う思い。
私は適当にその場をうまく取り繕っているだけで、本来、全然実力はないし、
きっと実際の私を知ったら、相手は失望する。
相手はだまされているのだ。
私は他人を裏切りながら生きているのだ。
そういう思いを抱いていた。


さすが、血がつながっているだけのことはあるね♪


また母(私の)も、
自分で自分を信じられないから、他人のことも信じられない、
という姪の台詞を聞いて、
「ま、私も若いころはそうだったかもね」
と軽くうなづく。


さすが、血がつながっているだけのことはあるね♪


なんて、血縁の絆を喜んでいる場合じゃない。


姪よ。
若いキミは、これからきっともっともっと自分のことが好きになれるし、
他人のことも好きになれるよ。
ケージに入ったトビー(6ヶ月小型犬)を見るだけで悲鳴をあげていたのに
「可愛いと思えるようになった」
と、自由に歩き回る成犬トビーの頭をなでる君の姿は、
キミの中に眠る大きな可能性をほんの少し開花させたに過ぎないのだから。


キミに会って思い出せることがたくさんある。
どれだけの臆病な殻を、私自身が脱ぎ捨ててきたか。
どれだけの自己不信を、自分への贈り物に変えてきたか。
どれだけの脆弱さを、強さの素地としてきたか。


それでも、まだこんなにも不完全な私だけれど、
キミと同じその高校で、能天気な笑いの裏に全てを押し隠していた私は、
一人で電車に乗るのが怖いと言うキミよりも、もしかしたら
ずっとずっと弱かった。


例え今も私が、私自身の理想から程遠いところに立っているとしても、
キミの失望の種にならないでいたいと思う。
人は、前に進み続け、
変わり続けることができるんだと、
そして、それはキミにもできるんだと、
思える証になれればいいと思う。