のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

好きなものと、得意なもの

 結城浩さんという方がブログ(みたいなの)で、好きと得意は何が違うのか、ということについて書かれていた。
 
 「好き」は、自分の好みの問題なので、主観的、
 「得意」は、ある程度の能力の高さを前提とするから、客観的、
な評価による。
 となると能力やスキルの高さには幅があり、どの程度以上を「得意」とするか、他者の評価を介するとなると堂々とは言いづらい。けれど、「好き」な方は、主観的な判断なので、他人にとやかく言われる筋合いはないことになる。
 
 だから、「好き」なものは大事にしたいよね。という話だった。
 よく履歴書には、「趣味・特技」の欄があるけれど、これも言葉を変えた「好き」と「得意」を聞いている設問だ。
 生真面目な学生たちは、「特技って、特にないんです・・・」と頭を悩ませるけれど、履歴書を作る側の人も多少は気をまわしてくれていて、「特技・趣味」を一緒の欄に混在させてくれているわけだ。
 特に高い能力が保障されてないことでもいいんですよ、と案に言ってくれている。

 就職活動のいわゆる自己分析では、どんな仕事があうか、やりたいを考える際、「興味・関心」、「能力」、「価値観」を考えろ、という。さっきの「好き」と「得意」の話の流れで行くと、「興味・関心
」について言えば、これは純粋に主観を聞いているだけなので、いくらでもどんなことでもひとまず、これが好き、って言っていい項目なのだ。
 それなのに、多くの人は、先回りして自分の「好き」をつぶしていく。音楽が好きでバンドを組んでいたとしても、「いや、とても仕事にできるレベルじゃないし」とか、ゲームに1日5時間を費やしていたとしても、「ゲームは、ただ楽しんでただけだから」とか心の中で瞬時に考え、0.5秒ぐらいで思考から抹殺し、「特に好きなことってないんです」というのだ。

 たしかに、それは仕事になるレベルの好きじゃないかもしれないね。と、もし発言されたらされたで、私も思うのだろう。
 本を読むのが好き、でも編集者とか憧れるけど、でもなれるもんじゃないって分かってる。

 そして「特にやりたい仕事はない」というマジョリティが出来上がる。
 ・・・でも、おかしいな・・・。
 純粋な主観の話なのに。自分の好みなんて、誰にも文句を言われる筋合いなんてないはずのものなのに、「好き」って言えないのって、何なの?