のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

リンダ!リンダ!

ていっても、なんのことか分からない人が多いのでしょうか?
でも、一週間ほど前には、FM山口では、ブルーハーツ特集をやっていた。これは、鴻上さんのお芝居盛り上げ企画、なのかと思うぐらい、古い歌の特集でびっくりした。
でも違うよねきっと。

それはともかく、今日は、鴻上さん脚本、山本耕史松岡充、その他の人々出演による音楽劇、「リンダ!リンダ!」を見てきました。
感想?
それは、良かったよ、面白かったし楽しかった。
松岡君の、こぶしの効いた歌とロッカーっぽいパフォーマンスも好きだし(私はちょっと松岡君好き)、山本さんも歌うまいし、北村有紀哉の演劇人らしいコミカルな演技も(カミカミのマイナスポイントを乗り越えて)よかった。
(ちなみに、今日のカーテンコールでは、3回もみんなが姿を現してくれ、予定になかった大高さんギターによる歌まで歌ってくれたけど、打ち合わせが無かったために、数章節でギターが途絶えるのにみんなのタイミングがぜんぜんあっておらず、全くの行き当たりばったり加減が臨場感あって面白かった。)


でも、なぜだろう、なぜかしら。大好きな第三舞台を見るたびに、最近感じてしまうこの切なさは。大高さんが、それなりの時代背景をしょって、自分の責務をまっとうにこなす役のはまり具合が、あまりに常識的で哀しい気がしてしまうのは、私だけなのでしょうか?


きっと、山本君とか、松岡君のファンには嬉しい舞台だったろう、と思う。前から3列目の私たちの隣にいたお姉さん二人組みとか、その前の二人組みとかは、とても嬉しそうに楽しそうに両手に顔をうずめて感動してた。
でも、私には、過激派をやることで失われた時間や情熱を悔いながらも否定しきれない大高さんにはあまり共感はできないし、叶わない夢を追いかけることの苦しみや切なさは、当事者にとってすらさほど切実ではないように見えて、心揺さぶられる何かや、考え込んでしまう重さは、もうそこには無いような気がした。


なんで、時代に取り残された過激派や、もう後戻りできない諫早湾なんかのモチーフをだしてくるんだろうと、考えていた。それは、若い君たちにも、何か考えて欲しい、という鴻上さんのメッセージではないことは明らかで、でも、今、私たちのいる場所はそうした抜け殻や死骸がそこかしこにあるんだよ、といいたかったんだろうか。
あたりには、こういうただの死骸が転がっている。幽霊になるほど気がきいたインパクトも話題性も無いまま、ただ、道路に打ち捨てられているものがたくさんあるんだよ、って言いたかったんだろうか。


大人は、夢をみよう、と言い続ける。
こどもは、夢なんか見えないと首を振る。
私は、夢を見たいといまだに思いながら、視界が曇っていて、目の前のことすらよく見えないみたいだ。