のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

褒めることの難しさ

しばらく前、ジムに行ったときのこと。
私は、いつものようにウォーミングアップのためエアロバイクに向かった。エアロバイクでは、上半身が動かないので雑誌なんかを読みながら、時間を有効活用できる。
その日は、withに載っていた福山雅治のインタビュー記事を読んだ。バイク漕ぎの合間に頭に入れるのに、実にふさわしい内容である。(そうか?)

さて、昔からB'zの稲葉さんと並んで、人気を二分する男前アーティスト、福山君の語り口は、相変わらず(っていうほど知らないけど)飾り気がなくて、でも、深いところで女心を揺さぶる何かがある(多分)。さすがモテモテ君である。

そんな彼の言の中で、私は次の一言が一番印象に残った。
「アーティストでずっと残っていけるっていう人はみんなトークが魅力的なんですよね。能力とかもあるとは思いますけど、トーク8割だと思います」
トーク8割。
うーむ、確かに・・・。
社会でやっていくには、いかに喋りがうまいか、というのは実に実に大きなポイントである。この、トークの力というのは、営業職や管理職は言うに及ばす、研究者や先生でも絶大な力を齎す。

うんうんそうか。トークトークね、なるほどね。
自転車漕ぎながら学んだ情報はそうやって私の腑に落ちていった。


そんな折、昨日、EFTセミナーでとてもトークが上手な人を発見した。
と、私は思い、心の底から賞賛の気持ちを込めて
トークが上手でしたよねー」
と感想を述べた。ところが、彼はいやいや、そんなことないですよ、という。
私としては、これまで大きな会場で色んな人が喋るのを見てきた経験があり、その上で「彼のトークはいけている!」と、極めて客観的な事実のつもりで言っているので、彼の返答にはちょっと疑問を感じた。
だって、ほんとに上手なんだから、彼はそれを認めてよいはずだし、認めてないとしたら、ぜひ知ったほうがいいに違いない。
私はそう思って、更に重ねて力強く、「いやいやほんとに上手です!」といってみた。
だがしかし、わたしが力づよく言うほど、彼の自己否定も力づよくなってしまう。
これを続けると、
「本当に上手ですってば!」
「そんなことないですって!」
エスカレートしてけんかに発展、とはさすがに行かなかったけれど、まるで、レジの前でお財布もって相手を制する「ここは私が」おばさまがたのようになる危険すらはらんでいる(←大げさ)。
せっかく良いコトバを投げかけても、だれにも受け取ってもらえないと元も子もない。

「とっても上手ですね」というポジティブで輝かしいコトバは、受け取り手がいないまま、宙にぷかぷか浮いている。そして、そのコトバは何処に行くのか?
流れ流れて、使われ損ねたコトバ溜まりに行き着いて、そこで埃をかぶって寂しく朽ち果てていくだけなのか?
ちょっと気になる。
でもそんなことより、私はそこで自分が失敗したことにハタと気づいた。

もともと、褒めるという行為は、相手のためになると思ってしていたはずなのに、これでは逆に相手の害になってしまうのである。
褒めるコトバは、それを口に出した人にプラスの影響を及ぼす。つまり、褒めた段階で私にはプラスになっている。
けれど、それを相手が受け取らないでいると、相手にはプラスにならない。それどころか、否定の言葉を言ってしまったことで、ちょっとしたネガティブ効果をインプットすることになってしまうのだ。
ということは、私は自分にはプラスの効果を齎すと同時に、相手にマイナスの効果が出るように仕向けてしまったことになる。
これじゃメーワクじゃん。

じゃぁ、どうしたらいいのかしら。
・・・・(腕組み考え中)。

褒めるのは難しい。
とだけ言って、答えがでないまま強引なまとめをするのは私のプライドが廃るので、この続きは宿題ってことにしたいと思います。(んじゃまた)