のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

15階で火災が発生しました

昨日、私の帰宅は遅かった。
家に戻ったのは、夜の11時を回っていたけれど、3度のお留守番という務めを果たしたトビーは、それまで十分に体力を温存していたらしく、私の帰宅と同時に夜中のハイテンションに突入した。


確かに、最近忙しくて昨日もおとといも、散歩をサボっている。
私は、少し欲求不満を晴らしてやろうと、トビーを抱えて玄関を出た。
そして、内廊下に出たとき、私は火災発生のアラームを聞いた。
「15階で火災が発生しました。落ち着いて非難してください」
落ち着いて、という割には不安を煽りまくる緊急そう〜な大きなアラーム音とともに、
男性の声が繰り返し響き渡る。


え!?火事?!
エレベーターホールには誰一人いない。
誰も出てくる様子もない。
で、でも火事って言ってるよ?
みんな、逃げないの?
どうなの?
私は迷った。
お隣の家とかに、ドンドンドンとやって教えてあげるべきなんだろうか?
逃げるべきか、逃げざるべきか。
けれど私は、以前テレビで正常性バイアス、多数派バイアスの群集心理で、多くの人が逃げられる火災で犠牲になった、という例を見ていたので、とりあえず、トビーの散歩のついでを装いながら避難することにした。


一度部屋に引き返すと、キャッシュカードやお財布が入っているいつもの自分のバックを手に、トビーを抱えて、またエレベーターの前に戻った。
エレベーターホールには誰一人いない。
そして、だれも出てくる様子はない。
まるで先週やった、火災訓練のときのような人々の無関心ぶり。


でも夜中の11時に、一体誰が火災訓練を?
そう思いながら、エレベーターのボタンを押すと、ランプがつかない。
反応がないのである。
ま、まさか本当に階下では火事が??
私は胸がどきどきし始まるのを感じた。


火災時にはエレベータは使ってはいけないのが鉄則。
でも、ほんとに火災じゃなかったら階段で降りるのは損。
微妙な心理で、非常用のエレベータのボタンをおすと、電気がつき、まもなくハコがやってきた。
一応、動いている。けれど、『火災が発生した』といわれる15階をクリアできるのか?
エレベーターに乗り込んだ私は、どきどきしながら、回数表示を見つめていた。
18・・・、17・・・、16・・・。
そのとき、私の意識の中では、15階にすでに煙が回っていた。
そして無事に、15階を過ぎたとき、私はほっと胸をなでおろした。
気分はすっかり火災現場から無事に脱出しおせた非難住民である。


でも、1階に降りても相変わらず誰もいない。
誰もいないが、火災発生のアラームは鳴り響いている。
そして遠くから消防車のサイレンの音がする。


バックを持っていた私は、ちゃんと非難しました、という申し開きもでき、
でも、トビーを連れてどうせ散歩だったから、という誤報に反応したかっこ悪さからも
言い逃れできるびっみょ〜な状況で外に出て、お散歩をした。
外から見たマンションは、平穏そのものだった。


え〜、結果から言うと、
誤報でした。
ちゃんと警報を聞いて、降りてきた人は、私の確認したところによると、
4軒(私含め)。


こんなことでいいんでしょうか?
みんな、気づいてからも様子見をしていて、しばらくした後、
誤報です」というアナウンスがあったそうですが、
もっと迅速に行動しなくて大丈夫なんでしょうか?
これがいわゆる「正常性バイアス」「多数派バイアス」の恐ろしさじゃないのでしょうか?小学校の避難訓練でよく言われているように
「本物だったら、焼死」
ってことになるんじゃないでしょうか?


と、他人の行動を批判しながら、
私ったら、意外に逃げ足が早かったということが再認識できた夜であった。