のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

夢から覚めて

 今朝、夢を見た。超簡略化すると、大学院生だったときの主査の教授宅で勝手にお風呂に入って湯舟を汚したり、とある有名ミュージシャンと恋仲になっていちゃいちゃしたり、そしてなぜかそのあとトイレに入って、大きい排せつ物が流れず苦労するという変な夢だった。

 トイレの夢は何度も見ていて、大きいほうの排泄物がなかなか流れていかないシーンが多い。いつもトイレの排水口というか、排水管自体が非常に小さかったり、蓋がされていたりするのだ。

 夢でのトイレは異界への出入り口という説からすると、私が、なかなか外宇宙にでていけないということか。

 眠っている間に、物質界を抜け出しているのかなとは思う。目覚めた瞬間、自分が誰でどこにいるのか分からないのだ。ぼんやりと、チューニングが次第に合うように記憶が戻ってきて、自分に返る。加えて今朝は、意識が戻って目を開いたとき、最初に目に入った布団が、じわーっと分子が凝集して物質化したものに見えた。

 世界のすべてが幻想で、ホログラムみたいなものだという解釈がある。その空蝉にこそ、現実味を感じる。

 そういう朝は、自分がここにいる意味が、本当に分からない。犬も朝ご飯をねだってこないので、ますます自分の存在意義が薄れていく。それでもなんとかベッドから体を引っぺがして起き上がると、犬は疑いに満ちた顔でこちらを振り向く。

「ごはんだよ」

 そういっても、犬は、すぐに飛びつくような迂闊な真似はしない。ゆっくり体を起こし、伸びをしながらこちらを窺っている。とはいえ、所詮は四つ足のどうぶつだ。指で喉元や耳の後ろを撫でられると、ついつい長毛のしっぽをふりふりして、お腹まで出してしまう。

 それで、ようやく犬は、遅めの朝ご飯をもらい、飼い主は、なんとか日常の世界に戻る。

 かように飼い犬とは有り難い存在である。