のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

おどろきウィルス学(2022年3冊目)

 今年は、とにかく毎日何かしら書く、という目標を立てているので、臆せず日記を書くことにしよう。

 今日の天気は晴天。昨日とは打って変わって、さんさんと太陽が降り注いでいる。私のベッドでぬくぬくの毛布をすっぽり被って寝ていた犬も、何かを察してかリビングに駆け出していったので、ついていって分厚いカーテンを開けてあげた。

 うちのリビングは、北東に面しているので、この時期は午前中の早い時間にしか日差しが入らない。貴重な冬のひなたぼっこを楽しむため、朝ごはんの要求も忘れて、窓際のソファーの片隅に陣取る犬の姿を見ると、一日のとても平和的な気分で一日が始まる。

 といいながら、仕事は午後からなので、つい二度寝をしてしまった。再度起きてから慌てて洗濯機を回す。今日は、エプソムソルト(硫酸マグネシウム)入りのお風呂の残り水を使う。ほのかにラベンダーの香りがする。人間の皮脂が混じり合ったお湯は、なんとなくなまめかしい記憶を呼び起こす気もするが、一人暮らしなので特段の感慨は生じないのであった。

 午後の仕事は早めに終えたので、夕方、読書がてら近くのバーガーショップハンバーガーを食べに行った。午後5時過ぎのファストフード店は空いていて、広くない店内の席の多くが開いている。オーダーを取る店員さんの日本語は、ところどころ母音が抜け落ち、やや舌足らずな発音だった。しかしその動きに甘えたところは微塵もなく、てきぱきと無駄のない動きでレジを操り、レシートを発行してくれた。
 二人いた店員さんはともにアジア圏の外国人で、笑顔などといった無駄も省き、合理的に黙々と商品を提供するシステムと化している。この仕事をしていて、楽しみとかあるのかな?と少しだけ心配するが、その直後にかぶりついたハンバーガーのトマトが小ぶりなことに気づき、不満を覚える。何歳になっても、安定して心が狭い自分を知る。

 

 今年の3冊目は「京大おどろきのウィルス学講義」(宮沢孝幸著)。

 (今初めて気づいたけど、タイトルに「京大」って入っているの何でだろう?)これはもちろん、新型コロナの影響で手に取った。頭に残ったことは次の通り。
・新型コロナウィルス(SARS-CoV2)は、SARSに酷似したウィルス
・インフルウィルスもコロナウィルスもRNA一本鎖だけど、遺伝子構造がインフルは8分節に対し、新型コロナは1分節しかない
・レトロトランスポゾン、トランスポゾンの活躍で人間の細胞の遺伝子は年とともに変異し、脳はその代表(なんで脳細胞の変異が大きいか気になる)
・ヒトの遺伝子の9%はレトロウィルス由来とらしい。またゲノム中のジャンクDNAの半分は、今も機能が不明。
・哺乳類でも胎盤の構造はさまざまで、レトロウィルスの遺伝子が関与している可能性。

 ウィルス同士のDNAの貸し借りは日常茶飯事だし、哺乳類の進化にもウィルスが大きく寄与しているとすると、働きが不明な遺伝子のなかには、感染症を引き起こす遺伝子もあるかもしれない。誰もが陰性だったはずの南極基地で、突如、新型コロナ陽性者が出たという記事があり、ウィルスが休眠状態で潜んでいた可能性が示唆されていたけれど、遺伝子として保持しているものが「発現」した可能性だってあるんじゃないだろうか。何らかの症状が出れば「感染症」と騒ぎ立てられるけれど、目立たない形で体内で活動していることもあるとすると面白いなぁと思う。長い共生生活のなかでは、ウィルスは役に立つ作用を提供してくれていることも少なくないわけだから。