のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

ハロウィーン前の土曜日

 今日は、図書館で仕事をした。土曜日なので、席がいっぱいなのではないかと心配だったが、意外に空いていて無事に席を確保できた。そのうえで、まずは持っていったお弁当を食べる。お弁当は、定番の厚焼き玉子とモヤシ炒め、そしておにぎりである。

 食べ終えて席に戻り、パソコンを開くも、途端にものすごい眠気に襲われる。必死の抵抗を試みるも戦力差は歴然としており、あえなく撃沈。1時間ほど居眠り。
 目が覚めてから、ようやく仕事を開始したものの、やる気が冥王星の大気よりも薄く、席のうえで伸びをしたり、もぞもぞしたりするばかりで、なかなか集中できず。

 (参考までに、冥王星にも一応大気はある。ウィキペディアによると、その主成分は窒素で、1985年において地球のおよそ70万分の1の0.15Paの大気圧が観測されている。だが、2002年の観測地には、驚くべきことに、約2倍の0.3Paに上昇していたそうな。
 いったい何があったんだ、冥王星!)

 そんなわけで、私のやる気も冥王星のように倍に上昇したのか、(でも地球の35万分の1しかないんですが)なんとか本日の最低限のノルマをやり終え、帰り支度をした。
 外に出てみると、薄曇りの空がところどころ薄くオレンジに染まっている。
 昼食後、ほとんど動いていないのに、おなかが減るのは不思議だなぁ、などと小学生のようなことを考えつつ、駅前のカフェをのぞくと、週末のリラックスした服装の人で混みあっていた。道にもたくさんの人が溢れ、家族連れや友達同士、笑いさざめいている。
 こうして街全体が浮かれ気分に包まれているのを見るのは嬉しいことだ。いまだにコロナ感染者数とか発表しているマスコミには、イライラしてしまう。
 けれど、人々は解放され、ちゃんと楽しめているのだ。良かった良かった。

 というわけで、私もこの盛り上がりに参加すべく、スィーツを買って帰ろう♪、と近くのパンとケーキの店に寄った。
 しかし、パンもケーキもほとんど売り切れている。
 それならと少し離れたコージーコーナーに行くと、そちらでも数人の客が並び、その先のショーウィンドーにほとんどケーキ類は残っていない。
 まだ5時前なのに?こんなに売り切れるものだった?コロナ禍の出荷調整をし過ぎて、せっかくの好機を逸しているのではないだろうか?
 と余計な心配をしてみたものの、わたくしの目当てのチーズケーキは残っていたのでセーフだった。

 それから家に帰り、冷凍してあった合いびき肉でエセ・タコライスを作った。飼い犬は、ご飯をもらってもまだまだ飢えている。レタスをちぎってあげながら、いっしょに夕飯を摂った。

 街が平和で、人々が楽しく嬉しそうであれば、それで自分も嬉しく満ち足りた気分になれる。そんな日もある。不思議なことに。

 そういえば、今日、自動販売機で電子マネー決済ができずに困っていたおばさんがいた。最初は、お財布の中の小銭を探索していて時間がかかりそうだったので、私はいったんその場を離れたが戻ってみると、まだいた。
 今度は、楽天ペイが機能せずに悩んでいる。3次元コードのスキャンが必要みたいですよ、と教えてあげたのだけれど、すぐには対応できないと見えて、お先にと譲ってくれた。それで私が先にコーヒーを買って帰ったのだけれど、あのあと、おばさんは無事に飲料を買えただろうか。

 あとから、ひとつぐらい買ってあげればよかったな、と思った。最近、人におごる、ということをしていない。おばさんが欲していたのは、午後の紅茶リフレッシュオレンジティーだ。
 自販機の前に立った私は、おばさんが押していたそのボタンのまま、ピッとカードをかざす。ガタン、と音を立ててペットボトルが落ちる。それを私は手に取り、どうぞ、とおばさんに渡す。え、いやいやそんな、悪いですよ、と叔母さんは言うだろう。いえいえ、いいんですよ、と私は笑いながら答え、すぐさま自分の分のコーヒーを買う。そして、ちいさく手を振ってその場を去るのだ。

 いえいえ、いいんですよ、あなたに与えることで私も豊かになれるんですから。
 なあんて格好よく心の中で思うだけ。そんなふうに、ふるまえるだけの器量がない自分が口惜しい。
 でもとにかく、今日は、無性に誰かに何かをおごりたくなる日でもあったのだった。