のんびりライフの鳩日記

日常の、あれこれ感じたことなどをつづります。(不定期更新)

生き物って、ずごい

「すごい」といわれるその生き物には、当然、人間も含まれます。


今日は、私のだ〜い好きなお友達がうちに遊びに来ました。
久々に会っても、すぐに「いつもの」親密なほっとする気持ちに包まれる、大切な
仲良しさんの一人です。


最近モーリシャスで結婚式を挙げた彼女は、とっても可愛らしい農学博士なのですが、さすが私の仲良し友達だけあって、そんじょそこらの人とは一味違います。
なにしろ彼女は、ムシ好きです。
今回初めて知った事実です。


実験で使っているカイコの幼虫を見ていると、可愛くて胸が「きゅんっ」てしちゃう、と語る彼女は、いまではちょっとしたカイコ博士。
そして、衝撃的なカイコの秘密を教えてもらいました。


Q.カイコの寿命ってどのくらい?
A.ん〜、45日ぐらいかな。


Q.どのくらいで繭を作り始めるの?
A.大体生後30日ぐらいで、繭を作り始めて完成までに3日ぐらいかかるね。
(そして、この繭が絹糸としてつかわれるわけですね)


Q.で、そのあとは?
A.んとね、繭から出てきた成虫のカイコ蛾にはね、口がないの。
Q.え"!?
A.衝撃の事実でしょ?口がなくてね、食べないでただ交尾だけして、卵産んでその後は、死んじゃうの。


ええ〜〜〜〜?!
口がない?
のっぺり顔の蛾の幼虫をリアルに想像した私は、驚愕の声を上げました。


Q.顔がないの?
A.そう。多分、ずっと養蚕で使われているうちにそういうのが突然変異で出てて、選抜したんだよね。


そ、そうなのか。
絹糸をとる役目に特化されて、人間に利用されたきたカイコ君。
糸を吐きおわったその後は、これ以上ないぐらいリアルな『口封じ』を自発的に行って、そのあとすぐさま次の繭吐き世代へとバトンをつなぐ。


そういう生き物を、生み出しうる自然の力ってすごい。
その不自然な自然の種を手にする人間という生物もまたすごい。


久々に生き物のミラクルに触れた気がしました。


帰り際、彼女は言いました。
「あのね、も一つ私の好きなカイコのしぐさがあるの。聞いてくれる?」
うん、と、私がうなづくのをみて彼女が話し始めたのは、カイコの幼虫の脱皮について。
カイコ幼虫は、まず頭のところがパカっと割れて、もぞもぞもぞっとしながら首から下の皮を脱ぎ、最後によいしょっとヘルメットのように頭の部分の皮を脱ぐんだそうです。
華奢で小柄な彼女が、全身で可愛らしくマネをしてくれた「カイコの脱皮」を見て、私もぜひ、カイコの観察をしたいなぁなんて、ちょびっと、思ってしまうのでした。